A 旧商法では、株式譲渡制限会社が、有利な価額で第三者に新株を発行する場合、株主総会における発行決議(特別決議)のほかに、有利発行の特別決議が必要とされています。 今回の改正では、第三者に対する新株の発行決議において、@株式の種類および数に加えて、A株式の発行価額の下限をも定めることにより、第三者割当決議と有利発行決議を一本化することとしています。 さらに、これは株式譲渡制限会社に限りませんが、新株発行について、「払込期日」に代えて「払込期日」を定める事を認めています。 これにより、その期間内に払込みがなされた場合には、その払込みの日から株主になることが認められるわけです。
A 旧商法では、期中に新株が発行された場合、新株に係る配当は日割計算することとされています。今回の改正で、新株主の配当起算日に関する規定は削除され、基準日における株主は、その有する株式の発行時期にかかわらず、同一に配当等の割当てを受ける事に変更されました。
A 旧商法では、会社成立後または新株の払込以後、遅滞なく、株券を発行することとされています。 ただし、平成16年商法改正(社債等振替法等の改正に係わる一括法で改正)において、定款で株券を発行しない旨を定めることができることとされ、株券不発行制度が導入されています。今回の改正では、これをさらに進め、株券の不発行を原則とし、定款の定めがある場合のみに株券を発行できることとしています。 なお、株式譲渡制限会社は、株券発行の定款の定めがある場合でも、株主の請求があるときまでは株券を発行しないことができることとされました。 「株券の発行・不発行における原則と例外」
改正前・改正後 原則・例外
会社の設立後又は新株の払込期日以後遅滞なく株券を発行することが必要 ※株式譲渡制限会社の特例・・株主からの請求がなければ、株券の発行は不要
株券の発行は不要
2.例外
定款に株券を発行しない旨の定めをすることができる。 ※株式譲渡制限会社の特例・・上記の定款の定めがあっても、株主からの請求があるまでは、株券を発行しないことができる。
定款の定めがある場合のみ株券を発行できる
A 自己株式の取得・保有は解禁されていますが、子会社における親会社株式の取得は、原則として禁止されています。ただし、次の場合は、取得できることとされています。 ・ 株式交換、株式移転、会社の分割、合併または他の会社の営業全部の譲受によるとき ・ 会社の権利の実行に当たりその目的を達するため必要なとき 今回の改正では、次のケースでも、子会社が親会社の株式を取得できることとそています。 ・ 子会社が他の株式会社の礎あいき再編行為により親会社株式の割当てを受ける場合 ・ 子会社が行う組織再編行為に際して、親会社株式の割当てをするために取得する場合
A 現行では、株式会社は取締役会の決議により社債を発行することができるとされています。 ただ、今回の改正により、取締役会が設置されない株式会社が出現します。そのような会社にも社債発行の門戸を開くため、取締役会を設置しない株式会社も、社債を発行することができるものとされます。 合同会社、合資会社、合名会社にも、株式会社の社債に係わる同様の規定が設けられます。 なお、取締役会を設置した株式会社における社債の発行に係わる取締役会決議では、次のような取扱いができることとされました。 ・ 償還の金額および利率の上限、社債の発行価額の下限を定め、具体的な額等の決定を代表取締役に委任すること ・ 社債を発行できる期間を定め、個々の発行時期についての決定を代表取締役に委任すること
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